先月22日(月)に民俗行事を語る会のみなさん主催の民俗行事「庚申さん」が民俗資料館で開催され、今回もお手伝いで参加してきました。今回は新人スタッフも一緒です。
「庚申さん」は「庚申待ち」とも言われ、干支の「かのえ申(さる)」の日に祀り、60日または61日目毎にまわってきます。人の身体の中には三尸(さんし)の虫がいて、庚申の夜に人が眠ると天に昇り、天帝(古代中国の道教の最高神)にその人の罪を告げます。すると天帝はその人を早死にさせると言います。 そのため庚申の夜は眠らないで身を慎み朝を迎えるようになり、これを「守庚申(しゅこうしん)」と言います。日本には 平安時代に中国から伝り、室町時代・江戸時代に庚申信仰がさかんになり、貴族社会から民間へと広まりました。
民間に広まってからは仏教色が強まり”庚申縁起”や”庚申供養塔”などを僧侶が作るようになり、青面金剛(しょうめんこんごう:道教神)をご本尊にしました。また日本古来の神道では”猿田彦命”を祀っています。このように、本来の庚申信仰は神仏習合の流れの中で、猿を共通項として新たな信仰へと変化し、民衆にいたっては”守り庚申”・”庚申会”・”サルドン講”などの神講組織がつくられ、経済的互助会を作るところもでき発展した時代もありました。
「庚申待ち」日には、座敷の神棚の下や床の間などに祭壇を作り、青面金剛や猿田彦命の掛け軸をかけます。お灯明をともし、仏式では線香も立てます。お供え物は季節の花を七種類と、牡丹餅・赤飯・お餅や副食(おかず)として油揚げ・焼豆腐・こんにゃく・昆布・その他野菜など七種類を煮たもの。(神式では魚を供える) こうして朝まで祭壇の前で夜話しをして過ごします。庚申さんの前で勉強すると学業が上達すると言われたり、庚申さんにお供えした花を明朝庭先の柿の木に結び付けておくと柿の実がよく成ると言われたりします。
さあ、それでは準備にかかりましょうか。今日のメニューは、おはぎと七種類の具の御汁を作ります。炊きたてのもち米を半殺し(五分づき)にして、子供用のサイズに丸めたら、あんこときな粉で包みます。
炊きたての熱々のもち米でみんな手が真っ赤です。頑張って約200個作りました。
あゆっこ園(河原町内の幼稚園)の子供たちもやって来て、会長の谷さんから「庚申さん」の話を神妙な顔つきで聞いていました。
みんなで祭壇にお参りしたら、お待ちかねのおはぎです。いつの時代になっても 子供たちは おはぎが大好きですね。
さあこれで、天帝様のお仕置きはないから安心してね。そして、お礼に歌を歌ってくれました。おうちに帰ったら お父さんやお母さんに「庚申さん」の話をしてあげてくださいねー。
今年も もうあと少しで終わりますが、新しい年を元気一杯に迎えましょう!! それでは今日はこのへんで~(*^▽^*)ノシシ (おっちー)